2013年12月6日金曜日

Cybershot DSC-QX10を買った!

もう1ヶ月くらい前になるけれども買って、最近やっといろいろ試しました。



Cybershot DSC-QX10




Cybershotと名が付いているから大抵の方はピンと来るかもしれない。
そう、こいつはスマフォではなく、カメラなのだ。
しかも普通のデジカメではない。なんと、レンズだけのカメラなのだ。



今回もすべての写真はGoogle+のアルバムにあります。
Cyber-shot DSC-QX10写真

経緯


発売・発表時のインパクトが強かったせいもあるのかもしれない。スマフォをファインダーとして、
カメラ本体は自由に動かして撮影できるというので、これは旅行の時に活躍するかもということで、
発売後1周間ほど経ってから、ヨドバシ・ドット・コムで在庫があったので購入した。
その当時、どの店でも売り切れ続出だったのを覚えている。
目新しい物・変わり物好きな人が多い証拠だ。(自分もそうだが)


ケースと本体


早速見ていこう。まずは箱・梱包内容から。

梱包内容


ケースは円柱型だ。セット内容は本体、説明書類、バッテリー、ストラップ、アタッチメントの留め具、
microUSBケーブルだ。

本体をみよう。

本体



上部・・・レンズ側から、NFC接触部、電源ボタン
左側面・・・レンズ側から、ズームイン・アウトボタン、シャッターボタン
正面・・・レンズ
右側面・・・レンズ側から、液晶画面(電池残量等)、留め具のロックスイッチ
下部・・・三脚穴
背面・・・裏蓋(電池挿入口)

となっている。

付属物


アタッチメントの留め具が付いているので、それを取り付ける。


アタッチメントの表面には留め具がついており、それを開くとスマートフォンに取り付けられる。
するとこのような感じになる。


ミクスペリアに取り付けたのでなんとも柄の合わないちぐはぐな状態になってしまったが、
所持している白のXperia ZやNexus5に取り付けるとこのようになり、最高にフィットする。


ちなみに、Xperia ZやZ1にはアタッチメントがなくても回しながらはめるだけですぐに取り付けられる
専用ケースがある。こんな感じ。




起動


まずはバッテリーを入れて充電する。バッテリーは背面の蓋を開けて入れる。

ちなみにWiFiのキーなどの情報は蓋の裏に記載されている。iPhoneなどのNFCタッチができない機種向けだ。

実際に使う前に準備しておくことがある。

スマートフォン側
次のアプリをインストールしよう。

PlayMemories Mobile

インストールしたらNFCのあるスマートフォンやタブレット等の場合、NFC機能を有効にしておこう。
PlayMemories Mobileを起動し、利用条件など確認を求められたら同意しよう。
その後、スマートフォンをDSC-QX10にタッチする。
すると自動的に電源がオンになる。スマートフォン側ではほどなくしてアプリ画面にDSC-QX10の
WiFiアクセスポイントが表示され、自動的に接続が始まる。


NFCのない端末の場合
iPhoneを始めとするいくつかの端末、古いAndroid端末は当然ながらNFCがないので、NFCタッチの代わりに
WiFiを直接設定することになる。

  1. DSC-QX10の裏蓋を開き、WiFiのパスワードを確認しておく。
  2. DSC-QX10の電源ボタンを押し、電源を入れる
  3. スマートフォン側のWiFiの設定画面を開き、DSC-QX10が発しているWiFiのアクセスポイントを選択する
  4. 控えておいたパスワードを入力し、認証する

その後、アプリ画面でNFCありと同じようにアクセスポイントが表示されるので、それをタッチすればOKだ。
ちなみに、スマートフォンのWiFi設定画面ではなくとも、アプリの画面でアクセスポイントをタッチすると
入力画面が表示されたのでそこで入力して認証してもよいかもしれない。

注意点
タッチすればすぐに電源オンになって使えるんだ。いいね~とお思いの方、残念ながらそれだけではすまない。
DSC-QX10の電源が入り、スマートフォン側で接続が始まるのはいい。
しかしながら、そこからが長いのだ。とはいっても1分以上かかるわけではない。
接続する端末・使用する周りの状況にもよるのだろうが、早くても3~5秒程度かかる。
長いと10秒待ってもなかなか接続中の表示が終わらない。
しかしそれを我慢して乗り越えると、その先に待っているのは自由な体勢で撮影できる素敵な環境だ。

ちなみに、自分はXperia Z, ミクスペリア、 Padfone2、HTC 0ne mini(NFCなし)、そしてNexus5で試した。
専用ケースがあるとはいえそれは接続のしやすさにまったく関係なく、一番接続がしにくかったのはXperia Zだった。
一番つなぎやすかったのはNexus5、ついでミクスペリアことXperia Aだった。
やはり素のAndroidのほうが良いのかもしれない。


使用開始


さて、無事に接続が完了すると晴れてカメラの画面に切り替わり、DSC-QX10を向けている物がスマートフォンの
画面に映るようになる。

少々わかりづらいと思うが、DSC-QX10を縦向き(シャッターボタンがある面を上にする)にすると、
スマートフォンの画面の表示も自動的に縦向きに切り替わる。
割と激しく動かしても画面はすぐに追従してくれる。(と入っても完全にリアルタイムではない)

戻るボタンを押すか、DSC-QX10側で電源ボタンを押して電源を切るとこういう表示が出る。


切断した後はアクセスポイントが表示されている画面に戻ってくる。DSC-QX10の電源が入っており、
アクセスポイントが表示された状態であればその名称をタップすることで、その時に使いはじめるときにDSC-QX10と
スマートフォンをタッチした時よりも割りと早くつながる。改めてNFCでタッチする必要はない。

ちなみに1台のDSC-QX10には一度に1台のスマートフォンしか接続できないようだ。
2台のスマートフォンでそれぞれタッチして接続されるのを待ってみたが、後から接続を試みた方は
いっこうにつながらなかった。残念。


撮影時の様子
別途ギャメラ(Galaxy Camera)にて、DSC-QX10で撮っている光景を撮ってみた。

こういうふうに向けている状況がスマートフォン側のカメラの画面ではこういうふうに映る。

スマートフォンの持つ向きを変えると自動的に表示が調整されるのは言うまでもない。

機能


スマートフォン側の画面からいろいろ設定が変更できる。

撮影モード



静止画・動画を切り替えられる。それから、静止画では「おまかせオート」「プレミアムおまかせオート」
「プログラムオート撮影」と3種類を切り替えられる。
オート、と名が付いている通り、どのモードでも設定できる専用の項目はほとんどない。
「プログラムおまかせ撮影」でやっと露出の補正ができるくらいだ。

しかし設定画面(スパナアイコン)に入ると、補助的な機能周りではある程度設定でき、融通が効く。

セルフタイマーや静止画の撮影サイズ、スマフォに自動コピーする際のサイズ設定などだ。

なにもスマフォと繋がなくても、DSC-QX10だけで撮影はできる。しかし何を撮ったかわからないが
とにかく素早く撮影したかった。というとき、中身を確認するためにこの設定画面の上部にある
「カメラからコピー」を選ぶと、DSC-QX10内部に保存されている写真や動画のすべてを見られる。
そこからスマフォに転送することが可能だ。

もちろん、PCと接続すれば写真や動画のすべてを好きな写真管理ソフトで取り出せる。
PlayMemories専用のソフトはあることはあるのだが、非常に使いづらいのでおすすめはしない。
Picasaで十分だろう。Linuxではdigikamやshotwellもあるし。

撮影した


デフォルトの設定のままだと、撮影するたびにレビュー画面に切り替わる。
シャッターボタンを押すと撮影され、WiFiでDSC-QX10からスマートフォン側に転送される。
その際に進行状況がわかるようになっている。ちなみにDSC-QX10とスマートフォンとの距離が遠かったり、
その他使用状況によっては転送が遅くなることがあった。
そういう場合はDSC-QX10とスマートフォンを近づけると転送が早く進んだ。



この後戻るボタン(文字がついて表示されている方)を押すと、カメラの通常の画面に戻る。Androidであれば
お得意の共有機能で好きなアプリに連携できる。しかしその際、DSC-QX10との接続を一旦切断しないと
いけないので注意しよう。

ズーム


DSC-QX10は10倍ズームが出来る。しかも光学ズームだ。


自分はカメラはほぼ素人なのだが、スマートフォンのカメラはたとえiPhoneなども含め画質が超絶綺麗であっても、
光学ズームではなくデジタルズームしか備わっていない時点で、どこまで進化したとしてもおもちゃカメラと認識している。
なんとなくそこだけは譲れない。だからこそ以前買ったギャメラはスマフォでありながら、
光学ズーム24倍を備えている真っ当+αなデジカメである特徴から、もっと評価されるべきだと思っている。
Samsungは堂々と日本でも発売するべきだ。

どこまでいってもおもちゃカメラなスマフォを補う分には、10倍ズームを備えるDSC-QX10でも十分だろう。
DSC-QX10自体にオート以外のモードがついていないので、おもちゃカメラをおぎなって少しだけ
本物のデジカメにしてくれる、そんなエッセンスが混じったものだと思う。

お前そんな評価できるほど写真うまくねぇだろと言われればそれまでなのだが、デジタルズームが嫌で嫌で
仕方がない経験をしてきているので、光学ズーム10倍ができるDSC-QX10はかなりツボな製品だ。

フラッシュ


残念ながらついていない。接続するスマートフォンであらかじめ点灯し続けられるアプリを使えば
なんとかなるかもしれない。
Sonyには接続するスマートフォンにフラッシュがある場合は使えるようアップデートしてくれたら
ものすごく嬉しいのだが、当分そんなことは無理だろう。

使用例


これまでは買ってある程度使ってレビューは終わり、というパターンがほとんどだった。このDSC-QX10はそういう
使い方じゃすまない特徴的な製品なので、実際に外で普通のデジカメとおなじ感覚で使えるかどうかを試してみた。
私的な利用例で申し訳ないが、皆さんの参考になれれば幸いだ。

利用例1: 150人いる高層ビルのフロア(9~10階)

まあつまるところ、会社の忘年会なのです。試しに持って行ってみんなに披露してみたしだい。
9階以上のところなのでかなり高い位置にあるかなり広いフロア、そして150人超の人がいて
おそらくその何人かは携帯電話をいじっていて電波が飛び交っているに違いない環境だ。

会社の人にお願いしてDSC-QX10を持ってもらい、試しにフロア中を歩いてもらった。
自分や画面を見ている他の人はわざとフロアの端っこに行き、なるべく距離を取る。
持った人が動く→1秒以内にスマートフォンの画面でそれが表示される(0.0何秒かもしれない程度の遅延)。
DSC-QX10側でシャッターを切ってもらう→同じく1秒以内に保存の表示が出てくる。
二人の距離はだいたい10~12mくらいは離れていた。
DSC-QX10側やスマフォ側で互い互いにシャッターを切ったので時々何の操作をしたのか混乱した時もあったが、
自分や他の人がスマフォの画面を見ている限りでは反応が遅すぎると感じることもなく、周りの人も
普通にスムーズに見られるね、と言っていた。

会社の人が写っているので残念ながら写真は見せられません。あしからず。

利用例2: 旅行(滋賀県彦根市)


実際にギャメラ(Galaxy Camera)とこのDSC-QX10で同じ所を撮った写真があるので見比べて欲しい。

201311彦根紅葉の旅

201311彦根紅葉の旅(DSC-QX10版)

ただ、Google+フォトでは容量無制限の代わりにサイズが縮小されてしまうので
何枚かは直接のサイズをDriveに載せてみる。こちらも合わせて御覧ください。
Google Drive - DSC-QX10
写真は次の順で比較してみてください。
ギャメラDSC-QX10




最後のひこにゃんの写真だけはまったく同じのが撮れなかったのでご了承ください。
(動く被写体を2つのカメラで撮るのはさすがに厳しいので。自分は動いてないのでなるべく近い時間で撮った写真を選んだ)
ズームはギャメラとDSC-QX10では差がありすぎるので同じ倍率で済ます、あるいは一切使わない。
どちらも撮影モードはオート(多少違いは発生してしまうが)で撮影した。


利用時の感想


つなぐ端末にもよるのだろうが、接続時、それから接続中に一時的に目に見えて違和感のある遅延が
発生することもたまにあった。上でも書いたが、その中でもNexus5とミクスペリアはかなり安定して使うことができた。

接続中に遅延が発生した時は、DSC-QX10とスマートフォンを近づけたり遠ざけたり、
両方を8の字を描くように回転させたりして通信状況のリセットを図った。たいていはそれで状況が回復し、
カメラから来る映像も問題ないレベルの遅延に収まるのだが、それでも回復しない時があった。
その場合はカメラとの接続を切断し、アプリを終了させ、アプリの履歴からも削除した。

撮影時はDSC-QX10を真上に向けて紅葉を撮ったり、石段など、人間が登りにくい場所に置いて
自分はその下から操作して撮影したりと、おおよそ、このカメラの利用想定シーンを再現して使ってみた。
フリースタイルで使えるのはものすごく便利で新鮮。

とっさに撮りたいという用途には向かないが、それもDSC-QX10とスマートフォンを
つなぎっぱなしにすればその問題は一応解決できる。スマフォ側でどうしてもつなげないとなれば
とりあえずDSC-QX10だけで撮ることもできる。画面が見られないので何が撮れたのかわからなくなってしまうが、
むしろランダムに何かを撮るという今までにないカメラの使い方が楽しめるので結果オーライか?

つなぎっぱなしにする場合の注意点、というかDSC-QXシリーズの注意点として、バッテリーの消耗が激しい点だ。
この物はWiFiのアクセスポイントとしても起動していることになるので当然だろう。Android入りデジカメのギャメラを
超える速度で電池が消耗していき、9時すぎから断続的に使っていたが、15時前にはDSC-QX10のほうが先に
バッテリー切れを起こしてしまった。(出かける前にどちらもフル充電したにもかかわらず)

余談だが、これでひこにゃんや紅葉と撮影している時、周りで「あ、あのカメラ・・・!」という声がちらほら聞けた。
知っている人は知っているのだとわかるとなんとなく誇らしげになる。


その他


その他これから買おうという方のためにいくつか注意点など。

盗撮に間違われないようにしよう


レンズと画面が分かれている、この製品やスマートウォッチならではの注意点だろう。
まあ、こそこそと取り出さなければ問題ない。それか人前で使う場合は、あらかじめ適当なスマフォに
アタッチメントで取り付けておいてからバッグなどから取り出すとか。
その後DSC-QX10を取り外して自由に撮り始めれば、あぁ、ああいう製品だったんだと思ってくれるはず。

繋ぎたいスマートフォンやタブレットを事前に確認しよう


NFC接触部が備わっている端末のほうが接続に楽なのは間違いない。一度設定してしまえば
iPhoneやNFCがない端末でも電源入れてアプリを起動してつなげばそれで済むのだが、1~2手順少ないだけで快適さが違う。
ただでさえ接続がスムーズにいかない時があるのだ。せめて省ける手間は省きたい。
また、アタッチメントの留め具で取り付けられるサイズには限界がある。
5インチのXperia ZやNexus5でもわずかに余裕があるので大抵の端末では問題ないだろうが、
店頭で取り付けを試せるのであれば試しておこう。

あと、6インチのXperia Z Ultraは当然ながら無理な大きさだったことを報告しておこう。
最小だとMotorola Flipoutあたりはイケる。こんな感じに。



余っているスマートフォンを活用できる


接続に際し、スマートフォンがモバイル通信出来る必要はまったくない。
つまり、インターネットにつながっている必要はないということ。
使わなくなったスマートフォンがあるならば、それを有効活用できる。(NFCがある端末ならベスト)
WiFi機能さえ問題なく使えるなら最低限使える。

ただ、接続中はDSC-QX10から発するWiFiを掴んでいるので別途WiFiによるネット接続はできない。そこは注意しよう。


あまり過度な期待はしない/用途を絞って適切に使おう


タッチするだけで起動する、繋がるとはいえ、実際はその繋がるまでに少々時間がかかるので、
スピード感あふれるもの、とっさに撮りたい!と思った物を撮る用途には向かない。
また、撮影モードはオートのみなので細かい調整して撮るということもできない。

解決策として上でも書いたが、何かありそうという場合、あらかじめ接続して持ち歩くといいだろう。そして
おもちゃカメラであるスマートフォンのカメラを一時的に置き換えて使うこと前提なので、
撮影モードがオートのみでもそんなに困らないはず。光学ズームがついただけでも満足度は違うだろうし。

素早く撮影したいということのみを考えるなら、究極的にはDSC-QX10だけであれば素早い撮影はできるのだ。


バッテリーに注意しよう


これは購入したあとの心配。上でも書いたが、ただのデジカメではない。起動中は常にWiFiアクセスポイント、
つまりルーターとして動いているので、バッテリーの消耗はかなり激しい。
旅行や長時間のイベントで撮りまくりたいという場合、モバイルバッテリーが必須だろう。



終わりに


だいたいまとめたいことは書いてしまったのでサッと書いて終わりたい。

スマートフォンのカメラに光学ズームがあったらいいのになぁ~と思っている方、
つながらない場合はたまにあるなど、多少の障害は気にしないという方、
子供がカメラを使うのにスマフォを渡したくない、けれどもなんとか使わせたいという親御さん、
自由なアングルでさらに写真撮影の道を進みたいという方、
などにオススメできるものかなと思う。

子供と遊ぶときに使いたいという人であれば、ラジコンにくくりつけて普通じゃ味わえない視点での
撮影を楽しむという利用も思いつく。
仕事などで使うという場合は、例えば人の目が届きにくいサーバ機の特定の部分を撮って確認したり、
ちょっとした防犯カメラ代わりとしても使えるはず。


カメラとはファインダーを覗いて構えて撮るものじゃなければいけないんだ!と譲らない人ではなく、
レンズと映像を見る部分が離れているというだけで使い道を考えるのが楽しくなるという感覚が
少しでも感じられる、新しい発想をして受け入れられる人なら、DSC-QXシリーズはまさに買いだ。
なるべくたくさんの人が試し、Sonyに意見や感想をフィードバックすれば、今後もDSC-QXシリーズを出してくれる
かもしれない。非常に可能性を秘めたタイプのカメラだ。一発屋で終わってほしくないと思う。

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