2013年5月10日金曜日

開発者端末、Peakを買った!

今回も仲間が加わった。
今回は・・・



Peak




聞き覚えがない、という方が多いのではないかと思う。
これはどこのメーカーから出ている端末かわからない。
それどころかAndroid端末ですらない。
そう、これはFirefox OS端末なのだ。





今回もすべての写真はGoogle+のアルバムにあります。
FirefoxOS端末、Peak写真

経緯

前々からFirefox OS(以下FFOS)はイメージを焼いたりプログラムを解析したり注目していた。
以下の記事を思い出してもらえると幸い。
FFOSはGalaxy Nexusに焼いて入れてみたが、解像度と画面の要素の大きさがまったく合っていなくて四苦八苦していた。
どうせならよくフィットした端末が欲しいということで、以前から発表されていた開発者端末をなんとしても手に入れたいと思っていたのだ。

この開発者端末には2種類あり、KeonPeakである。それぞれ端末・画面の大きさ、スペックが異なる。
そして、現在のところ販売されている場所はGeeksPhoneという海外のサイトだ。
かなりの人気のようで、入荷の知らせが出るとあっという間に完売してしまう。
そんな中、自分も当然あぶれた者だったのだが、買えないという愚痴をGoogle+のFirefoxOSコミュニティで愚痴っていたところ、
コミュのメンバーがふと、「今入荷したみたいだよ」的なことをコメントしてくれた。
Geeksphoneを見に行くと、本当に入荷して注文可能な状態になっているではないか!
すかさず注文して、注文完了した時点で安心できた。その旨コミュニティで報告し、その人に多大な感謝をしたのは言うまでもない。


ケースと本体

いつもの手順で見ていこう。違うOSということで、写真はかなり撮った。しかしながら
本記事に全部載せるわけにもいかないので、ある程度抜粋して載せることにする。
(全て見たい方は私のGoogle+のアルバムを御覧ください)


構成はいたって普通だ。

本体を見ていこう。まずは正面。
4.3インチの程よい大きさの画面と、ホームボタンのみがある。もちろんフロントカメラもついている。


次に左側面。なにもついていない。


次は上部。Peakではなんと上にmicroUSB端子がついてるのだ。

これはちょっといただけないかなと思う。雨の日とかふとした拍子に内部に水分が入りやすい構造に
なってしまうのは怖い。まあこのあたりは開発者端末ということで、部品の組みやすさ・配置のしやすさを
優先してのこのレイアウトなのだろう。

次は右側面。電源ボタン、音量ボタンがある。


次に下部。何もない。


最後に背面。カメラと、あと堂々と鎮座するFirefox OSの文字が。個人的にはシンプルでかっこいいと思う。


裏蓋を開けてSIMカード・SDカード、そしてバッテリーを入れる。

プラスチック製で強引に取り外すと壊れるのが怖いかなと思ったが、そんなに取り外しにくいことはなく、
特に気になる点もない。
あと、SIMカードは標準サイズだ。このあたりは新興国をターゲットにしているから、一番普及している標準SIMの規格を
採用したのかなと想像。
バッテリーは1800mAhだ。このスペックにしたらほんの少し足りないかな?と思う程度だろう。

端末比較

これもおなじみだ。早速いってみよう。

まずはGalaxy S3, Peak, Xperia Z。


次はPadfon2, Peak, HTC8X。


最後はiPhone 3GS, Peak, Galaxy Nexus。


材質がプラスチックなのと、あと持ってみてわかるが、ものすんごく軽い。
笑ってしまうほど軽くてほどほどの持ちやすさ。エミュレータやROM焼いた人はわかると思うが、
FFOSには戻るボタンが存在しない。アプリの設計モデル?としては左上に戻る機能を実装することが多いようだ。
Androidでもそうなんだけど、画面が大きくなってきてるから離れたところにそういう地味だけど大事な機能があると
使いづらく感じる。AndroidはそれでもOSの構造として戻る機能が実装されているので不便さが完全に解消されるし、 機能が保証されるのでコレになれると他のOS(といってもWP8にはあるから、iOSだけだが)には戻れなくなる。
FFOSはブラウザのFirefoxつながりで戻るボタンを実装してもいいと思うんだよな・・・
ま、このあたりはMozillaの中の方々の努力に期待したい。


起動~各設定

最初にFFOSを試した時は今のような手順を踏んでいなかったので、今回改めて、いつもの紹介手順を踏んでみます。

電源ボタンを押して起動する。

起動スプラッシュが表示され、少々待つ。S4つの素早さに慣れてしまうとものすんごく長く感じる。
事実、GNexusに入れたFFOSよりも少し長かった。
無事に起動すると、ホーム画面とならず、初期設定画面が表示される。

かなり省いたが、順番はこうだ。
言語の選択→モバイルデータ通信→WiFi→日付と時刻→Contacts(連絡帳)→プライバシー・開発に協力→チュートリアル
これらが終わると、無事にロック画面~ホーム画面となる。


ホーム画面は標準では全部で4面だ。

ウェブサービス選択画面 - トップ画面 - アプリ一覧(1ページ目) - アプリ一覧(2ページ目)

もちろんアプリが増えればアプリ一覧も増えていく。
アプリ一覧は残念ながらiOS形式のため、アイコンの順番は変えられるが、好きな位置に配置することはできない。
ただ、あくまでもFFOS標準のホーム画面での話だ。そこはオープンソース、今後カスタマイズしたホーム画面アプリが
出てくれば問題は解決する+もっとすごいホーム画面の体験ができるようになるに違いない。

一番左のウェブサービス選択画面は、FFOSの特徴の一つだ。ウェブ上のサービスのショートカットをアプリのように
アプリ一覧に配置しておけるのだ。
それただのブラウザのブックマークじゃん、と思われるかもしれないが起動するアプリのベースは
ブラウザ(Firefox)ではなく、どうやら専用の共通フォームのようだ。つまりブックマークとは
少し意味合いが異なる。ブラウザのブックマークだとブラウザを開くので、戻るや進むの履歴が残る。
そのため見た目アプリのショートカットのようにブックマークを配置したとしてもすぐにブラウザであることを
思い知ることになる。このウェブサービスのショートカットは戻るや進むの履歴はどうやら個別の管理のようで、
普通の人から見たら、あたかもアプリを入れて使っているかのように見えるのでそれほど違和感はないだろう。

というわけでさっそくGoogle+を入れてみた。

このショートカット、PC版のもののようでこうなってしまった。

ちなみに日本語入力はできない。キーボードがないためだ。これは別のブログですでに インストールされた方がいらっしゃるようなので、そこを参考に後で入れてみる。
自分の解析と予想だと、別にイメージまでを焼く必要はないはず。アプリのzipと言語の設定ファイルさえしっかり準備すれば
比較的容易にできるはず。この辺りは週末じっくり試したい。

設定画面はこうなっている。

Androidにそっくりだ。それだけにAndroidを使ったことのある人は違和感なくスムーズに使えるだろう。
ただし、Androidにあった、アカウントの総合的な管理画面はない。
カレンダーはカレンダー、メールはメール、SNSはSNSの画面でと、個別の管理になるようだ。
そのあたり、AndroidやiOSの水準には到達していないようだ。
逆を言えば、特にサービスのアカウントなど必要なく、ある程度いろいろ楽しめるOSの端末といえるだろう。

OSや端末の情報画面(Device Information)を見る。

この画面からOSの更新ができるようになっている。ここからやらなくても、OTAとしてアップデートが自動的に来る。

このように、通知領域にいきなりアップデートが来ていたのでアップデートしてみた。
再起動後、アプリが一つ追加された。その名をImporterといい、Googleアカウントから連絡先をインポートできる。

これで設定すると連絡先にGoogleアカウントでの連絡先がすべてインポートされ、見られるようになる。
これで使い勝手が良くなった。

各設定画面の詳細は長くなってしまうので全ての写真はGoogle+のアルバムを参照していただきたい。
いくつか気にしたい点だけ紹介しよう。

ストレージ

FFOSにおけるストレージは本体内臓のストレージと、SDカードで管理されるメディアストレージにきっちり分かれている。
SDカードを入れないとこうなってしまう。

まずメディアストレージの画面は開けなくなる。ギャラリーを開けなくなる。そしてカメラが使えなくなる。
おそらくカメラAPIを使うアプリ、SDカードを参照する、メディアを参照するアプリはSDカードを外すと全滅するだろう。
このあたりの制御はAndroidより厳格だ。だがそのほうがわかりやすいかもしれない。
FFOSの端末ではSDカードは(ほぼ)必須と考えておけば問題無さそうだ。

3G通信設定

モバイルネットワークは設定画面のCellular & Dataで設定を行う。

APNはData settingsとA-GPS settingsの2箇所で行える。ちょっと謎だ。
AndroidではAPNの設定一箇所に集中していたものがFFOSだとA-GPSとしての設定だけ別個に管理しているということなのだろうか?
設定内容はすごく簡単。とりあえずb-mobile スマートSIMの設定をして保存する。
Androidのように複数のAPNは保存しておけないようだ。ただこれも標準の設定画面の話なので、
今後出てくるであろう端末に搭載の設定画面ではどうなるかわからない。期待しよう。

ちなみにb-mobileスマートSIMは問題なくつながった。
その代わりといっては語弊があるが、WiFiが安定しない。一応つながることはつながるのだが、
少しほうっておいて後から見ると、scanningのまま止まっていたり、問題解消のため機内モードにしてから再度接続を
試みるとinitializingのまま止まっていたりする。
再起動してもダメで、完全に電源を落としてから立ち上げると再びつながったりする。
このあたりは今後のOSのアップデートに期待するしかない。

アプリの管理

アプリの管理画面もちゃんとある。かなりシンプル。設定画面のApp permissionsにて確認できる。

ここにすべて列挙されるというわけでもないようだ。プリインアプリのいくつかはここには出てこない。
この画面、厳密にはアプリの管理画面というわけではなく、アプリで必要とされる権限の管理画面のようだ。
位置情報など、それらが問われないアプリであればここには出てこない可能性がある。
Marketplaceからインストールしたアプリは今のところすべて出てきているので、後からインストールしたアプリについては
この画面ですべて確認できると考えてよさそうだ。
各アプリの詳細画面はこうなっている。

プリインアプリは当然だがUninstallボタンは押せないようになっている。

アプリのアンインストールはこの画面でなくとも、アプリ一覧画面でアイコンを長押しすればサクッとアンインストールできる。
ここで先程のウェブサービスのショートカットも削除できる。このあたりはiOS形式だ。


各アプリ

いくつかのアプリに絞って見ていこうと思う。

メール

上で少し触れたように、FFOSではサービスのアカウントの統合的な管理機能はない。
そのためメールの設定はメールアプリ内で行うことになる。

アカウント名とメールアドレス、パスワードを入れれば設定完了だ。
日本語表示はOKだ。GeckoエンジンというFirefoxブラウザでも使われているエンジンが土台となっているので、
文字コード周りはまったくもって問題ないと思われる。

カレンダー

基本的な機能は揃っている。もちろんウェブサービスのアカウントを設定すればそのデータを表示することが可能だ。

しかしながら、上でも言っているように、統合的な管理はできないので、カレンダーで使われるアカウントはあくまでも
カレンダー内で設定しなければならない。

ためしにメールアプリでGoogleアカウント設定後、カレンダーを表示しても(当然ながら)そのアカウントのデータは表示されなかった。
AndroidやiOSのようにせめてメール・カレンダー・連絡先の3点くらいは統合的に管理、データを連携できると
FFOSの使い勝手がぐんと増すと思うのだが。もちろん、それを設定せずにFFOS端末を使えるという選択肢もしっかり
有効になっているべきだろう。

Marketplace~アプリをインストール

FFOSのアプリはMarketplaceからダウンロード、インストールすることになる。Mozillaとしてはアプリのインストールの仕組みを
整備しているようで、Marketplaceからでなくとも自作のマーケットサイトを作って、そこからアプリを
インストールさせることもできる。

早速Twitterをインストールしてみた。

アプリの詳細画面に入ってから、Freeボタンを押せばインストールが始まる。
インストール後はLaunchボタンか、アプリ一覧でアイコンをタップすればこのように起動する。

この辺りの流れはAndroidのPlayストアもiOSのAppstoreも代替同じなので割りとスムーズに使えると思う。

さてFFOSのアプリ、実体はHTML+javascriptだからソースなんて見放題じゃないの?と思われるかもしれない。
自作マーケットも現在テストしているので補足しておくと、マーケット経由であれば
アプリのソースは見られる心配はないと考えられる。

自作マーケットからはzipで固められたアプリ本体と、マニフェストファイルが参照されて端末本体にインストールされる。
インストール後は(adb shellなどで入られない限り)どうやってもアプリのzipを探索することは出来ない仕組みになっている。
アプリで使われるAPIでは、直接読み書きできるのはSDカードだけなのだ。
(どこからアプリのzipを直接SDカードにダウンロードしてきた場合はその限りではない)

アプリで使えるAPIもMarketplace、その他の自作マーケット(Moziilaによる認証ありなし?)、ウェブサービス(のショートカット)によって
権限の強さが違う。つまり野良マーケットではMarketplace経由のアプリより制限のかかったアプリしかインストールできない、
という仕組みになるよう整備されているようなのだ。
(その辺MDNで読んだだけなので、別途自作マーケットから一番強い権限のアプリをインストールできるのか確かめたいと思う。)

カメラ・ギャラリー

カメラとギャラリーはSDカードが入っていないと利用できない。となるとカメラを使うアプリ、画像などのメディアを扱うアプリも
SDカードが入っていないと使えないことになるだろう。

カメラアプリはシンプル。撮る・前面背面切り替える・フラッシュ切り替え・動画切り替え・ギャラリーへ移動、それだけだ。
エフェクトをかけて撮るなどといった機能はない。
そのあたりはMarketplaceで専用のカメラアプリに任せるといったところか。

ギャラリーでは簡単な編集ができる。


撮った写真はこのような感じになる。

800万画素のカメラとのこと。あとカメラの製造元はHaierとなっていた。

その他、ギャラリーでは共有ができる。

これはiOS形式の決まったものしかできないわけではなく、むしろAndroidの共有機能に近い。
画像を扱うアクティビティ(アプリで定義される機能とその宣言的なもの)を列挙するので、
画像を扱うアクティビティを持つアプリをインストールすればするほど、ここで選べる選択肢が増える
Twitterインストール後はこのようになった。

Marketplaceから画像を扱うアプリを入れればもっと増えるはず。

このへんの機能周りはAndroidを参考にしているようで、FFOSは非常に好感が持てる。
共有機能がAndroidの使う楽しさ・アプリ同士がスマートにつながる便利さを演出していると思っている。
このあたりの機能がどうやらFFOSではしっかり整っているようなので、今後の発展に期待できる。


終わりに

ひと通りPeakを見てきた。なんとなく想像つくかもしれないが、イメージとしてはAndroid+iOSという感じだ。
もっとも、ホーム画面はおろか、設定画面も(その気になれば)自由に変えられるので端末によっては
まったく新しいスマートフォンに見て取れるかもしれない。
体感スペックとしては、まだまだハードウェアのスペックを活かしきれてないという印象を受けた。
確かに基本的にはなめらかな動きをしているのだが、それと同時にもっさり感も感じられる。
あとでMarketplaceで動作が重くなりそうなゲームなどを入れてみて、さらに確認してみたい。

このPeakは同時に出たKeon(!ではない)と同じく開発者端末だ。AndroidでいうところのNexusシリーズ的な
役割の端末だと思っても支障はないだろう。
つまり、ガンガン試してガンガンテクニックや使用感を公開してFirefox OS界隈を盛り上げていこうぜ!ということに
使っていくことを想定している。
手に入れた自分もそうだが、手に入れた他の方はイメージファイルを焼き直したりと早速いろいろ試しているようだ。
次の記事のネタとして控えているが、Peakをadb shellで覗いてみた。
以前解析した内容とほぼ同じだったが、プリインアプリの場所だけが違った。
そのあたりの情報を更新しつつ、次の記事を書く予定。

運よく手に入れた方はガンガン楽しみましょう!
欲しくなったという方は、ぜひGeeksphoneに張り付いてなんとか購入しましょう。
上位スペックのPeakでさえ149ユーロ(約19300円)程度なので、かなりお得だ。
ただ使い道を考えると、スマフォに慣れていない方、少し試したいだけの方は待ったほうがいいかもしれません。
きっと中にはAndroidのROMを入れてAndroid端末化させる強者もいるかもしれない。
このほどよい大きさと異常な軽さを持つミドルスペックの端末、Android化することで
さらに楽しめる要素が増えるかもしれないが、それは他の人に期待しましょう。

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